
美波の父はフランス人。彼女は日仏の身体的特徴と言語と文化を持つ。しかし、美波が着る振袖は違和感がない、いわゆる日本の伝統的なたたずまいと現代的な美しさを放つ。大人っぽくなったね、という言葉を賛辞と理解しつつ、「でも……」と外国人の血が入ることによる特性を少しばかり困惑げに話した。「速い成長」は「老ける」と言い換えられるらしい。美波を初めて取材したとき、ハーフとしてのジレンマを持った時期があったと話してくれたことを思い出した。
「ダブル――っていうんですか」
最近は「ハーフ」ではなく、両方の国の特徴を備えている特性をポジティブに捉えて「ダブル」という言い方もすると話したら、そういう考え方もおもしろいですねと、興味深そうに頷いたのが印象的だった。ダブル――それは相乗効果。美波が「京都むらさきの」の振袖を着ることでその特性や良さを十二分に発信してくれることも、ある意味、ダブル。20才を迎えようとする女性たちにとっても豊かなメッセージになったといえる。

