美波の振袖通信 昨日・今日・明日 vol.67

「舞台中は人ごみに入りたくない感じになることも……」

美波

以前、「エレンディラ」のときに美波が言っていた。細かい理由を聞かなかったのは、何となく理解できたからである。例えるならば、グラスに満たされた神聖な湧き水を手に街中に立つ不自然さだろうか。人とすれ違うたびにこぼれそうな……。それは役柄と舞台から湧き出た、美波がその手で汲んで溜めた水なのだ。――いま、「かもめ」も好評だ。美波のニーナが出色と朝日新聞の劇評で伝えていた。

「いまは自分だって自覚できます」

美波のイメージに入り込む集中力の数値はすごく高い。撮影のときも美波の表情はどんどん変化していく。「京都むらさきの」の振袖はすべてオリジナルで、帯も合わせてデザインするデザイナー・永山氏の突出したクリエイティビティが息づく。美しい、しかし可愛い、そして圧倒的な個性。振袖と美波が共鳴するスタジオ。当初、完成した写真を見て「あたしじゃないみたい」と目を見張っていた少女は、いまはそれが「自分」だというしなやかな自覚を持つ。

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