
現在、赤坂ACTシアターで公演されている舞台「かもめ」の中での、美波演ずるニーナの台詞である。ニーナは女優志望の女の子だ。都会へ出てから2年後、挫折と将来への希望を織り交ぜた心象を、元恋人のコースチャ(藤原竜也)に語る場面での一節だ。「京都むらさきの」のキャラクターとして初めて会ってから3年。初日に訪れた舞台で聞いた美波の台詞は、実像の彼女と重なり、ベールを鮮やかに脱ぎ捨てたように聞こえた。日経新聞の劇評で「新鮮」と評された美波の演技だ。
「芝居をするときはわくわくするの」
尊敬できる多くの才能と出会い、演ずるという仕事ができることを感謝するという美波。新しいものと出会ったときの美波の「わくわく」は撮影のスタジオでも伝わる。単なるモデルとして振袖に手を通すのではなく、ひとつひとつに興味を持ち、美波が掻き立てられた好奇心が最後の、そして最高の仕上げとして映像に写る。「京都むらさきの」の突出したデザイナーの感性をきっちり汲み取る呼吸がある。これも双方、出会いだったといえる。

